農具の修繕(研ぎとサビ取り編)

素材を求めて社内をフラフラしていると、旧休憩所のストーブの上に置かれた包丁の成れの果てを発見。

持ち主は後輩社員の田中。

田中
お気に入りの包丁だったんですけど、収穫中に持ち手が折れてしまったんです。

それでなんか、柄を適当につけれるかなと思っていろいろやってみたんですけど、自分には無理でした。

リベット(※刃を固定するための金具)がついたままなところを見ると、努力の形跡が見られないような気がしないでもないですが、、、

本人曰く手を尽くしたとのなので、そのまま素材として回収。

◇◇◇

こちらは錆びたメガネレンチ。

旧選果場の隅に落ちているのを発見しました。
こちらも素材として回収。

◇◇◇

使われなくなった電動ハンディーマッサージャー。

かつては野菜の播種機(※種をまく機械)の覆土(※まいた種にかける土)を落とす際に利用していたのですが、当然ながら本来の用途と著しく異なるため、頻繁に故障、、、

ストックが無くなったのを機に工業用のバイブレータを導入するに至りました。

そうして覆土落としとして使えなくなった品々がご覧の通りという次第です。こちらも素材として回収しておきましょう。

◇◇◇

そんなことをやっているうちに、気づけば広報担当の元には素材がたくさん集まって参りました。

しかし、そうした素材はあくまで環境美化が目的であって、収集が目的ではございません。

というわけで本日の広報見聞録は「農具の修繕」ということでお送り致します!

究極の収穫包丁を求めて

まずは包丁から取り掛かりましょう。
留め具をグラインダーで削り落とします。

代わりに包丁の持ち手にするのは、こちらも収集品。

かつては鍬(くわ)の持ち手だったのですが、作業中の事故で折れてしまったところを広報課で回収したものです。

サイズ合わせ用に普通の包丁も一緒に撮影してます。

ノコギリで必要なサイズに切り出し、グラインダーで整形、切り込みを入れて刃が入るようにします。

刃をよく見るとリベット用の穴が2つ存在した形跡があるのですが、片方は折れてしまっているので、穴をもうひとつ開けなければなりません。

ボール盤で穴を開けて、、、

通販で取り寄せた包丁用リベットを打ち込みます。

本来は万力で押し込むそうなのですが、焦ってハンマーで打ち込んでしまったため、柄の先が少し割れてしまいました。

が。

包丁っぽくなりましたよ!!

広報
ほれ、包丁返すぞ!
 
うわ、ヤバ!!
あざぁす!

◇◇◇(ブロッコリーを収穫してきてもらいました)◇◇◇

広報
どうだった!?
 
最高でした!!
けど、、、
 
けど??
 
いつも自分が使ってたやつは持ち手の下の方が少しへこんでるんですよ。それでいつもそこに小指を引っ掛けて、その遠心力を使ってブロッコリーを収穫してるんですけど、それができないのがちょっとツラいっす
 
な、なるほど…

どうやらこの後輩は意外と高等なテクニックを駆使して収穫に臨んでいるらしい。

これはこちらも負けてはいられない!

あっ、ちょっと削り過ぎたかも…

重さを量ってみると83g。
安井ファーム支給品の包丁は約120gなので、その重量は当社比で70%ということになります。

個人差にもよりますが、野菜の収穫に使う包丁は120g程度の重量が無いと、かえって腕力が必要になって疲れやすいと云いますので、この包丁はセオリー通りでいけば軽過ぎて収穫には向きません。

しかし、後輩田中の場合はその必要になるはずの腕力を遠心力で補う収穫スタイルなので、あとは刃をキチンと研いでやれば、ちゃんと使えるはずです。

中砥石で刃を付け、仕上げ砥石で刃先を整えて。。。

完成!

◇◇◇(再びブロッコリー収穫を終えて)◇◇◇

広報
どうだった!?
 
マジで、最高です!
柄が取れる前のやつより断然使いやすいです!

広報執行終了#1

復活のハンディーマッサージャー

眺めていても修理できないので、まずは分解から始まります。

運転時に負荷がかかりすぎて焼けて(※簡単に言うと黒コゲになって)しまったモーターは素人にはどうすることもできないので、モーターを使用する機械はまず「焼け」を確認します。

残念ながら1台は焼けてしまってましたが、残る2台は無事でした。

生き残ったパーツを組み合わせて、1台は元のハンディーマッサージャーとして復活。

もう1台はご覧の通り、頭のパーツが足りませんでした。

ので。。。

「カップリング」と呼ばれるものをモーターの軸に取り付け、電動リューターとして利用できるようにしました。

ビット(先端のパーツ)は6mm軸のみ対応しています。

何というか、改造感丸出しです。

完成したのがちょうどハロウィンの時期だったこともあり、試しにカボチャにダイヤモンドビットで穴をあけようとしたのですが上手くいかず、それならばと包丁の表面を試しに削ってみると今度はうまくいきました!

穴あけよりは研磨に向いている器具のようです。

とりあえず使えるようになったので、広報執行終了#2

古き良き時代のハサミの修繕

さて、まずはサビについてですが、深いサビともなるとタワシで擦ってもまず落ちません。
サビがひどい場合は物理的手法と、化学的手法の2つを併用して臨みます。

Before

まずはハンディマッサージャーを改造して作ったリューターに、弾性セラミック砥石(#80)を装着。

スイッチONで粗サビを落とし、特にひどい部分はワイヤーブラシでゴシゴシ擦ります。

そして、化学的手法。
トイレ用洗剤(酸性)に一晩浸してから、水洗い。
さらに中性洗剤の水で薄めたものに半日ほど浸して、水洗い。

以上の手順を踏むことで、、、

After

なんということでしょう、ピカピカになりました。

トイレ用洗剤に一晩浸すだけでも十分効果はあるのですが、浸したものまで強い酸性状態となり、放っておくとすぐに錆びてしまうため、中性洗剤に漬けてphを調整してます。

同じく旧選果場で見つけたハサミも…

分解して物理的手法からの、、、

化学的手法!

というわけで、こちらも素敵に仕上がりました!

広報執行終了#3

編集後記(土田)

さて、11月の広報は「研ぎ」と「サビ落とし」のスキルを習得したことで、従業員の収穫包丁に始まり、ご家庭の出刃包丁や刺身包丁まで、多種多様な包丁研ぎを体験させていただきました。

「農業法人で1ヶ月50本の包丁を研ぐ程度の広報担当」ということで、一部では金物屋への転身がウワサされておりますが、農業一筋でございます。

特に収穫包丁を研ぐことは生産効率の向上にも繋がりますので、さらに専門性を深めていければと思います。

先日の毎日新聞でも取り上げていただきました通り「舞台裏から挑む農業」というスタイルでやってますので、また今後ともなにとぞ変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

※第45回 毎日農業記録賞 奨励賞 を受賞致しました。

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※有限会社 安井ファームは主にコメとブロッコリーを生産している農業法人です。